アメリカ人アーティスト、ドナルド・ジャッド（Donald Judd）のポスター。本作は、2023年5月から6月にかけてにニューヨークのギャラリー「GAGOSIAN」で開催された展覧会に伴い制作されたものであり、1989年に発表された作品（無題）にフォーカスしている。

ギャラリーでは、1965年から1991年の間に制作されたオブジェやプリント作品を特集して展覧。作者は、隠喩や幻想といった概念から切り離された独自の確固たる物質的な条件のもと、「実在」するものとしてその芸術を展開した。ポスターで使用された作品は、黒と無色のアルマイト（※註）を用いて1989年に制作されたものであり、従来見受けられるような彫刻作品用の台座を用いず、床面に直接設置する「フロアピース」作品である。

※註 アルミニウムの表面を電解処理で酸化させて膜を作り、表面を保護し腐食しにくくしたもの。

This poster featuring a detail of untitled (1989) was produced in 2023, in conjunction with Donald Judd at Gagosian, 980 and 976 Madison Avenue, New York, a survey exhibition featuring objects and prints dating from 1965 to 1991. Judd developed an art that exists on its own determinedly physical terms, removed from notions of metaphor or illusion. The illustrated object, made in 1989 from clear and black anodized aluminum, is a “floor piece”—a work that stands directly on the floor without a traditional sculptural pedestal.