イギリス人アーティスト、デイヴィッド・ホックニー（David Hockney）の作品集。2020年初頭にロンドンの「ナショナル・ポートレート・ギャラリー（National Portrait Gallery）」で開催された展覧会に伴い刊行された。本展は20年ぶりに作者のドローイングを主とし構成した大規模な展示であり、1950年代から2020年当時いたるまで、作者本人とその家族、周囲の数少ない親密な人物たちに焦点を当て、デッサンを描く画家としての作者を探究する。作者のミューズであったセリア・バートウェル（Celia Birtwell）、母親であるローラ・ホックニー（Laura Hockney）、友人でキュレーターのグレゴリー・エヴァンス（Gregory Evans）、多くのアーティストの作品を手がけてきた印刷工のモーリス・ペイン（Maurice Payne）などの名が並ぶ。ポートレートを描くにあたって、作者は新たなスタイルを実験し、アーティストのハンス・ホルバイン（Hans Holbein）やパブロ・ピカソ（Pablo Picasso）などの芸術の先達たちへの憧れを表現した。「Ingres」から「iPad」にいたるまで、伝統とテクノロジーの両方を取り入れながら独創的なポートレートを生み出す作者の才を証明する一冊である。

世界中の公私両方のコレクションから作品を集め、150点の作品を鮮やかに一冊の書籍としてまとめている。作者の生涯にわたりたびたび描かれている5人の人物たちを考察することにより、作者のドローイングの変化の軌跡を辿った。新たなポートレート・シリーズ、1970年代初期にパリで描かれた色鉛筆のドローイング、1980年代のポラロイド・コラージュのポートレート、同じく1980年代に作者が2ヶ月にわたって毎日自画像を制作し続け、自己省察に熱中した時期から選出したドローイングは注目に値するものである。

EXHIBITION:

デイヴィッド・ホックニー展
会期：2023年7月15日（土）- 11月5日（日）
休館日：月曜日（7/17、9/18、10/9は開館）、7/18、9/19、10/10
時間：10:00-18:00
開催場所：東京都現代美術館　企画展示室 1F/3F

※本展は終了いたしました

Celebrating more than 60 years of intimate portraiture by David Hockney
Published to accompany a major international exhibition, David Hockney: Drawing from Life features Hockney’s drawings from the 1950s to the present day, and focuses on his depictions of himself and a small group of sitters close to him: his muse, Celia Birtwell; his mother, Laura Hockney; and his friends, the curator, Gregory Evans, and master printer, Maurice Payne. In his portrait drawings of these figures, Hockney tries out new stylistic experiments and expresses his admiration for his artistic predecessors, from Holbein to Picasso.

Featuring 150 beautifully reproduced works from public and private collections across the world, this publication traces the trajectory of Hockney’s drawing practice by examining how he has revisited these five figures throughout his career. Highlights include a series of new portraits, colored pencil drawings created in Paris in the early 1970s, composite Polaroid portraits from the 1980s and a selection of drawings from an intense period of self-scrutiny during the 1980s when the artist created a self-portrait every day for two months.