ドイツ人画家、ゲルハルト・リヒター（Gerhard Richter）の作品集。キュレーターであり、ロンドンの「Serpentine Galleries」でアーティスティック・ディレクターを務めるハンス・ウルリッヒ・オブリスト（Hans Ulrich Obrist）と作者は1985年以来の付き合いである。両者のコラボレーションが始まったのは、その7年後であり、24歳のオブリストが初めて作者の展覧会を企画したときであった。本書は、作者がこの長年の関係に捧げて創り上げたアーティストブックである。本書に収録している断片的な文章は、オブリストによるインタビューをランダムジェネレータで並び替えて作られたものであり、これらは定義された節や段落も無く構成されている。また、本書に掲載されているカラー図版は、オブリストの過去15年間のポートレートや思い出の写真と、作者の絵画のクローズアップで構成されており、作者はその上からブラシやスクレーパーを使用して塗りつぶしている。作者によりアレンジされたイメージ、テキスト、間紙はスリルに満ちた演出を与える仕上げとなっている。上下逆さまのページが繰り返し登場し、本書に二つの表紙があることによって、両面から読み始めることが可能である。両面の表紙は、それぞれ「Obrist」と「O’Brist」の文字が印刷してあり、絵柄の部分はUVインキでテクスチャーのある仕上がりになっている。

EXHIBITION:

ゲルハルト・リヒター展
会期：2022年6月7日（火） - 10月2日（日）
休館日：月曜日 ※7月18日、9月19日は開館、7月19日（火）、9月20日（火）
時間：10:00-17:00（金・土曜は10:00-20:00）
開催場所：東京国立近代美術館
※本展は終了いたしました
会期：2022年10月15日（土） - 2023年1月29日（日）
休館日：月曜日 ※2023年1月9日は開館、2022年12月28日 - 2023年1月4日は休館
時間：10:00-17:30
開催場所：豊田市美術館
※本展は終了いたしました

Gerhard Richter and Hans Ulrich Obrist have known each other since 1985. Their collaboration began seven years later when the 24-year-old Obrist curated his first Richter exhibition. The following year he published a collection of his writings. Now Gerhard Richter has dedicated an artist s book to this long-standing relationship. The texts in the book have been created by rearranging interviews by Hans Ulrich Obrist using a random generator These are set in blocks without defi ned passages or paragraphs. The colour plates are made up of photographs, both portraits and mementos, of Hans Ulrich Obrist from the past 15 years and close-ups of Richter s paintings, which Richter has then painted over using brushes and scrapers. Richter has arranged the image, text and interleaf pages into a composition that gives the book a thrilling dramaturgy. Upside down pages appear time and again meaning that the book, which has two different sleeves, can be viewed from both sides. Both of the original sleeve designs, Obrist and O Brist, are embossed, the motif standing out from the background.