フランス人アーティスト、ブリス・ギルベール（Brice Guilbert）の作品集。クレオールにルーツを持つ作者は、ドローイングや音楽など様々なメディアを駆使して作品を制作し、歌詞においてはクレオール言語を用いて極めて私的で親密な表現をする。

広大なインド洋に浮かび、ピトン・ド・ラ・フールネーズ火山が今なお盛んに活動するフランスの海外県、レユニオン島のサン・ジョゼフで作者は育った。本シリーズは、火山の噴火というモチーフに何年も費やし、継続して向かい合ってきた実践の産物である。作者の視線は、抽象にほど近い構図と反復に焦点を当てており、一種類のプロポーションと5つの異なるサイズのキャンバスのみを用い、言葉では言い表し難い潜在意識的な淡いトーンと強いリズムを伴っている。作品はすべて、油彩と天然の蜜蝋を職人のような自身の技術で混ぜ合わせて作ったオイルスティックを使って紙や木に描かれている。本書には、2016年から2023年にかけて制作された100点の作品と、作家がレユニオン・クレオール語（Kréyol Rényoné）で作詞、作曲した10曲が収録されている。

閉じて置かれた状態の本書は、輝きを放つ火山のように、小口まで眩しい赤色で彩られている。

Brice Guilbert grew up in Saint-Joseph, on the French Indian Ocean island of La Réunion, at the foot of the Piton de la Fournaise volcano. The Fournez series is the result of years of repeated work on the very same motif: the eruption of this volcano. Using only one proportion and five different canvas sizes, Guilbert’s gaze focuses on repetition and composition bordering on abstraction, with an ineffable subconscious undertone and a strong rhythmic interest. All the works are painted on paper or wood using oil sticks made with the artist’s own artisanal mixture of oil paint and natural beeswax. This book brings together a selection of one hundred works produced between 2016 and 2023, as well as ten songs written and composed by the artist in Kréyol Rényoné (Reunionese Creole).